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映画『我々は宇宙人』「普通」ってなかなか難しい

クルーブログ

小柳 拓也

筆者 小柳 拓也

不動産キャリア5年

お世話様でございます。
金曜ブログ担当のせいたくです。

子どもの頃は「何か特別な人になりたい」。
大人になると「普通に暮らせれば十分」。

なかなか都合のいい話ですが、この「普通」と「特別」、意外とややこしいんですよね。


今回取り上げるのは、映画『我々は宇宙人』。
門脇康平監督による長編アニメーション作品です。



■ オリジナルアニメで、いきなりこれを作るのか

本作は、漫画や小説を原作としないオリジナルの長編アニメーション。
企画・脚本・監督を務める門脇康平監督にとって、初の長編作品です。


原作があれば、それを好きな人たちが公開を待っている。
すでに知られているキャラクターや物語もある。

オリジナル作品では、その入口から作らなければならないわけで。
いきなり長編アニメで勝負するというのは、なかなかの挑戦だと思います。


そして、公開後は口コミで評判が広がり、上映館も拡大。
9月25日の公開から1か月以上が経っても、上映が続いています。


観た人が誰かに勧め、その人がまた観に行く。
こういう広がり方をする映画は、やっぱり気になります。


そして今回、私も「これは誰かに言いたい」側になりました。


■ まずは、どんな映画なのか

舞台は平成の田舎町。

内気な少年・翼と、クラスの人気者・暁太郎。
小学3年生で出会った二人は、親友になります。


ところが、少しずつ周囲との関係が変化。
暁太郎はクラスの中で浮いた存在になり、やがて二人の関係を大きく変える事件が起こります。


そこから約30年にわたる友情を描く物語です。


設定を聞くだけでも、なかなか重い。

「懐かしいなあ」で気持ちよく振り返るには、ちょっと厄介な子ども時代が描かれています。




クラスの空気という、謎のルール


この作品を考えるうえで気になるのが、集団の中での立ち位置です。


昨日まで面白がられていたことが、今日は笑われる理由になる。
みんなが笑っているから、とりあえず自分も笑う。
おかしいと思っていても、自分が次の標的になるのは嫌だ。


こういう空気、子どもの世界にもありますよね。


しかも当時は、学校とクラスが生活のかなりの部分を占めている。


大人なら「そんな人とは距離を置けばいい」と言えても、それが簡単にできない。

だから、登場人物を外から眺めて「そこで助ければいいのに」と言うだけでは、話が終わらない。


自分だったらどうするか。
そこまで考えると、急に歯切れが悪くなります。



映像の細かさにも理由がある


監督のインタビューでは、学校の机の傷み方や、それぞれの家に置かれた物など、細部へのこだわりが語られています。


子どもの役には実際に子どもを起用し、声にも自然な説得力を求めたそうです。

こうした細かさは、物語との距離を近づける仕掛けなのだと思います。


見覚えのある教室。
どこかにいそうな同級生。
妙に納得できてしまう会話。


背景や人物が身近になるほど、そこで起きる出来事も他人事では済ませにくくなる。

細かく作り込むことが、そのまま話の重さにつながる。
この組み合わせが、本作の見どころでしょう。



小学校時代の記憶が、あまりない


物語の中心にいるのは、平成の田舎町で出会った二人の少年、翼と暁太郎。
子ども時代から続く、二人の関係を描いた作品です。


学校の空気や友達との距離感に、自分の昔を重ねる人もいると思います。


ただ、ここでひとつ問題が。


わたしは、小学校時代の記憶がかなり薄い。


「ああ、懐かしい」
「あの頃、こんなことあったな」

そういうノスタルジーに浸ろうにも、肝心の記憶があまり出てきません。


思い出の引き出しを開けたら、だいぶ整理されていました。




それでも、1時間58分ダレない


そんな私でも、最後までだれずに観られました。


ここは、話の構成と演出のうまさだと思います。


二人の関係がどうなっていくのか。
この出来事を、どう受け止めればいいのか。


ホラー要素にサスペンス要素。


自分の子ども時代を重ねられなくても、目の前の二人の物語としてちゃんと面白い。


1時間58分、しっかり引っ張ってくれます。




ラストシーンだけで、観た甲斐があった


圧巻の美しさでした。

何がどう美しいのかを具体的に書くと、これから観る方の楽しみを減らしてしまいそうなので、そこは控えます。


ただ、私はあの場面で、

「このシーンだけで、この映画を観た甲斐があった」

と思いました。


映像の美しさに、それまで見てきた物語が重なる。
ここまでの積み重ねがあるから、あの場面があそこまで美しくなるのだと思います。


道中もしっかり面白い。


そして最後に、あれを見せてくる。


いやーーーー、これはなかなか。

このシーンを最高にするための1時間58分。


私にとっては、そう言いたくなる映画でした。


小学校時代の記憶は薄い私ですが、
このラストシーンは、しばらく忘れられそうにありません。

おしまい





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