
不動産Q&A:「注文住宅で失敗しない!“道路付け”で後悔しないための5つのチェックポイント」
いつもクルーハウジングのブログをご覧いただきありがとうございます。
これから不動産の購入や売却をお考えの方にもぜひ知っておいていただきたい「不動産Q&A」シリーズです。
今回は、家づくりの方向性を大きく左右する「道路付け」について解説します。
注文住宅を建てる上で、どの土地に建てるかは非常に重要であり、土地の広さや立地も気になりますが、最も重要となるのが「道路付け」です。同じ敷地面積の土地でも、「道路付け」によって家を建てやすいか、外構にお金がかかるか、暮らしにくい家になるかなど、様々なケースがあります。土地購入の段階で家づくりの方向性が決まってしまうと言っても過言ではありません。
購入してから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、特に想定外のお金がかかってしまう道路付けが悪い土地について、そのポイントを詳しく見ていきましょう。

最悪の道路付けの土地とは?
家づくりが大変になる「道路付けが悪い土地」として、以下の5つのポイント
1. 道路と高低差がある土地
道路よりも土地が高い、または低い場合、平坦な土地に比べて余計な費用がかかり、家づくりでも苦労します。
土地が高い場合
・高低差が2mを超える場合は「崖地条例」をクリアする必要があります。これは崖崩れから建物を守るための条例で、道路からの安息角(30度)のラインより建物基礎を低くする必要があります。
・造成地などで新設された鉄筋コンクリートの擁壁がある場合は安息角を無視できますが、古い擁壁の場合は建築士が構造上安全と保証しない限り制限がかかります。
・2m未満でも60cmを超える土止めが必要な場合、地域によってはコンクリートブロックではなく鉄筋コンクリートの壁が求められることもあり、費用がかさみます。
メリットとして浸水リスク軽減がありますが、老後のバリアフリー対策がしにくいデメリットもあります。
土地が低い場合
・道路や近隣の土地からの雨水が入りやすく、浸水被害を受けやすいです。
・生活排水を道路の下水本管に流せないため、水ポンプの設置が必要となり、年1回程度の点検やメンテナンスが欠かせません。
・盛り土をして土地をかさ上げすれば浸水リスクを減らせますが、外構費用がかなりかかり、地盤工事も必要になる場合があります。
注意点
これらは時間と費用で解決できますが、土地購入前に正確な外構費用(壁や盛り土など)の見積もりを取るのが困難です。住宅会社は家の見積もりは得意ですが、外構は下請け業者に依頼するため時間がかかり、大雑把な見積もりが出され、契約後に予算オーバーすることも多いです。造成済みの土地や予算に余裕がある場合を除き、大きな高低差のある土地は避けた方が無難です。
2. 接道が2mの旗竿地(はたざおち)
通路が奥に伸び、奥に敷地がある土地を「旗竿地」と言います。建築基準法では、建築できる敷地として最低2mの接道が定められています。これは道路境界線が2mあれば良いのではなく、直径2mの円が通る通路幅が必要です。
問題点
・2mの幅では自動車の駐車が厳しくなります。軽自動車でも50cm程度の余裕しかなく、ブロックなどがあるとさらに狭くなります。
・建設時にも重機やトラックが入らないため、人力で資材を運ぶ必要があり、手間と時間がかかり建築費が割増しになります。
補足
最近分譲された敷地は最低2.5mの接道が確保されていますが、古い分譲地には2mの旗竿地も存在します。隣地も旗竿地の場合、交互に駐車するなど近隣との協力で対処できることもありますが、良好な関係を保つ配慮が必要です。
3. 駐車しにくい道路
旗竿地以外にも、駐車しにくい「道路付け」の土地があります。通勤や買い物で自動車を頻繁に使う場合は注意が必要です。
前面道路が4m以下の狭い道路
どん詰まりの道路
駐車場の位置が限定されます。例えば、日当たりを確保するため南側に駐車場を配置すると、バックで入庫する必要があり大変です。北側に配置すれば駐車はしやすくなりますが、1階の日当たりが大幅に悪化します。「道路付け」が日当たりに影響するため、購入前にざっくりと間取り検討を行う必要があります。
交差点が近い、交通量が多い道路
駐車場の位置が限定されます。例えば、日当たりを確保するため南側に駐車場を配置すると、バックで入庫する必要があり大変です。北側に配置すれば駐車はしやすくなりますが、1階の日当たりが大幅に悪化します。「道路付け」が日当たりに影響するため、購入前にざっくりと間取り検討を行う必要があります。

4. 方位による道路付けの注意点
「道路付け」向きによって、希望する家が建てられない場合があります。
南側道路
・日当たりが確保しやすく、近隣状況にもよりますが冬期でも1日中太陽光が入る家ができます。家の南面が見えるため、外観をかっこよく見せやすいです。ただし、南側玄関にすると日当たりが良い部分が少なくなるデメリットがあります。庭を活用したい場合は、道路からの視線を遮るための植栽や目隠しフェンスが必要です。
北側道路
玄関が北側に来るため、南側をリビングなどにしやすいメリットがあります。しかし、隣地との距離が十分に確保できないと、1階リビングの日当たりが悪くなり、冬期に1日中太陽光が入らないこともあります。その場合、吹き抜けや2階リビングの検討が必要になることも。水回りが集中する北側が道路から見えるため、外観をかっこよく見せるのが難しい場合があります。
東側道路
午前中の光が入りやすいのがメリットです。特に日照時間の少ない冬期の光は貴重です。ただ、昼間から午後にかけては太陽光が入りにくくなります。玄関が北東になりがちで、家相を気にする場合は注意が必要です。
西側道路
午後の光が入りやすいのがメリットですが、西側に大きな窓を開けると西日が厳しく夏暑くなるため、あまりお勧めできません。あくまで南側から日射を確保できることを優先して考えるべきです。
5. 迷惑行為がある道路
道路上でのボール遊びやスケートボード、道路際でのバーベキューや大きな歓声、危険な行為の繰り返し、近隣住居への不法侵入、器物破損など、いわゆる「道路族」が近隣にいる場合、かなり大変です。
確認方法
「道路族マップ」というものがインターネットで検索できるので、参考にしてみることをお勧めします。その上で、現地で実際に近隣にどんな人が住んでいるのか、必ず確認しましょう。駐車している自動車や自転車、外に置いてあるものから住民の年齢層を推測できます。専業主婦や在宅勤務など、自宅にいる時間が長い家族がいる場合は、近隣住民の状況が非常に重要です。土地を購入する前に、必ず調査するようにしましょう。
まとめ
今回は、注文住宅の土地選びで特に重要な「道路付け」についてお話させていただきました。
間取りの工夫によって敷地の悪条件をある程度クリアすることはできますが、道路と高低差がある土地や接道2mの旗竿地に関しては、間取り以前の問題で、予算に大きく関わる部分です。これらの問題で失敗してしまうと、家づくり自体が立ち行かなくなる可能性もあります。
現在、住宅購入を検討されている方で、土地選び、特に「道路付け」に関して不安がある方は、慎重に土地を検討することをお勧めします。
「この土地の道路付けってどうなのかな?」
「日当たりや駐車のしやすさが気になるけど…」
とお悩みの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。クルーハウジングでは、皆さまの疑問に丁寧にお答えいたします。
クルーハウジング 金島




